当院では、年齢や原因を問わず「聞こえ」のお悩みに対応しています。
特に高齢者の加齢性難聴、小児難聴に力を入れています。気になることがあればご相談ください。
小児の難聴
◆ 子どもの難聴の特徴
乳幼児は自覚症状を伝えることが難しいため、早期発見が非常に重要です。
原因としては、先天性難聴・滲出性中耳炎・反復性中耳炎などが考えられます。
◆ こんなサインは要注意
- 名前を呼んでも反応しない
- 発語が遅れている
- 大きな音にも無反応
- テレビの音を極端に大きくする
- 保育園や学校で聞き返しが多い
◆ 当院での対応
- 小児向けの聴力検査
- 滲出性中耳炎などの治療
- 必要に応じて補聴器や専門医療機関への紹介
言葉の発達や学習に直結するため、早期の対応が必須です。少しでも気になることがあればご相談ください。
「最近聞こえにくいかも…」「子どもの反応が気になる」
そう感じたときが、受診のタイミングです。
当院では、年齢を問わず丁寧に対応いたします。
高齢者の難聴
◆ 加齢性難聴とは
年齢とともに徐々に進行する難聴で、多くは両耳に起こります。
「声は聞こえるが、何を言っているか分からない」と感じることが特徴です。
◆ 主な症状
- テレビの音が大きいと家族に言われる
- 会話を聞き返すことが多くなった
- 騒がしい場所で聞き取りにくい
- 電話の声が聞き取りづらい
◆ 放置すると…
難聴を放置すると、会話が減って人と接する機会が減り、認知症のリスクが高まるとも言われています。また、気づかないうちに生活の質(QOL)が低下することもあります。
◆ 検査と治療
当院では、以下のような検査と対応を行っています。
- 純音聴力検査
- 語音明瞭度検査
- 鼓膜や中耳の状態の確認
- 補聴器の試聴・相談・適合
耳あかや中耳炎など、治療で改善する難聴もあります。
まずは原因を調べることが大切です。
難聴と認知症の関係について【高齢者の方へ】
「聞こえにくさ」は放置しないでください。
難聴は、認知症のリスクを高めることが国内外の研究で示されています。
◆ 難聴が脳に与える影響
難聴は単なる「耳の問題」ではありません。聞こえが悪くなることで脳への刺激が減り、以下のような影響が出ると考えられています。
- 脳の働きの低下:聞き取りに脳の処理能力が使われ、記憶や注意力が低下することがあります
- 社会的孤立:会話が減ることで人付き合いが減り、引きこもりやうつの原因に
- 認知症のリスク増加:中年期の難聴がある人は、認知症のリスクが指摘されています。予防可能な要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子であると報告されています。
特に65歳以上の方では、加齢性難聴を放置することが、将来の認知機能低下のきっかけになる可能性あるのです。
◆ 難聴予防=認知症予防
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会でも、難聴への早期対応が認知症予防に重要とし啓発活動を展開しています。
予防のためにできること:
- 定期的に聴力検査を受ける
- 補聴器の装用と、専門医による調整
- 会話や地域活動など、積極的なコミュニケーションを心がける
「もしかして難聴かも?」と思ったら、ぜひお気軽にご相談ください。
聞こえの改善は、生活の質を大きく向上させます。
補聴器について
補聴器を使い始めた方の多くが「外出が増えた」「家族との会話が楽しくなった」とお話されています。
◆ 補聴器とは?
補聴器は、音を増幅して耳へ届ける医療機器です。
聞こえを“治す”のではなく、“支える”機器として活用されます。
難聴の程度や生活環境に合わせた調整が必要です。
◆ 補聴器が適している方
- 会話を聞き返すことが多くなった
- 聞こえにくいが、日常会話はなんとか可能
- 片耳や両耳ともに聞こえづらい
- 聴力検査で軽〜中等度の感音難聴と診断された
※病態によっては補聴器よりも手術等が適していることもあります。
◆ 補聴器の種類
種類 | 特徴 |
---|---|
耳かけ型 | 安定した装着感・多機能・電池交換が簡単 |
耳あな型 | 目立ちにくく軽量・耳の中に収まるタイプ |
オーダーメイド型 | 個人の耳型に合わせて作成・快適な装着感 |
※現在はBluetooth機能や充電式の補聴器も普及しています。
◆ 当院での対応
当院では、以下のような補聴器サポートを行っています。
- 聴力検査・診断
- 鼓膜や中耳の状態の確認
- 認定補聴器店と連携し、試聴・貸出・使用感の確認
- 補聴器装用後のフォローアップ
補聴器は「合うかどうか」がとても大切です。
まずは医師による正確な診断と、適切な選定サポートを受けることが重要なため、認定補聴器店での購入を推奨しています。
◆ 補聴器購入の前に
補聴器はすぐに効果を感じられないこともあります。
慣れるまでに数週間~数ヶ月かかる方も多いため、まずは試聴・相談から始めてみましょう。試聴前は少し敬遠されていた方も、実際に試聴してみると効果を実感されることが多く、8割程度の方が最終的に購入されています。
補聴器は原則として保険適用外ですが、自治体や福祉制度を利用することで、補助を受けられる場合があります。また医療費控除の対象となることがあります